ひぐらしのなく頃に

ようやっと、プレイしました。無料のとこだけ、ですけど。

いつかやらなきゃとは思ってたんですけど。

ほんとうにようやっと、プレイしました。



なんというか。

ホラーというものはだいたい二種類あって、

突然画面に目玉、突然の襲来、とかっていう

「びっくり系」と、
(※注1:「びっくり系」の代表的なゲームには、「1999ChristmasEve」がある。もうとにかく怖い。わかってても怖い)
惨殺死体とか、ぐじゃっとしたものをやたら見せる

「きもちわるい系」があると思うんですね。
(※注2:フィッシュ竹中は「きもちわるい系」はあんまり怖いと思わないので好きになれないです)

けれどこの、「ひぐらしのなく頃に」は、どちらでもない。

ひぐらしのなく頃に」で得られる恐怖は

純粋な恐怖です。

驚き、とか

嫌悪、とか

まじりっけのない、恐怖。それをすごく感じました。

読み進めている途中で、突然恐怖に捕まえられる。

「1999ChristmasEve」は

やりながら何度ものけぞったり、させられました。

ひぐらし」の恐怖は、のけぞらせない。

むしろ引き込む。

逃れられなくする。

そういうプレイヤーの恐怖が

またなんともうまく、主人公の心情として書かれている。

うまい

うまいなあ。誰がシナリオ、というかこの文字群を書いているんだろう。

主人公の心情の中身と、その変化が

そのままプレイヤーの心情につながっている。

あるいは、そういう風にプレイヤーの心情が変化させられる。

うまいんです。

うまい。



プレイ開始後1時間ほどは、

体が痒くなるような、ギャルゲー的空気の中におかれます。

事件の予感、まるでなし。

それなりに面白く書いてはあるけれど、

やっぱり、つらい。何も起こらず、進展せず、だいたいあんまり萌える絵じゃないし。

けど

絵もだんだん見慣れてきて

自分も一緒にゲームがやりたくなってきて

おおー射的やりてーとかなって









それで。



っていう。

そういう長さは、絶対に必要なんですよね。

古今東西の文学、マンガ、ゲームの中で

「事件が起こる前」を

ここまで長〜く書くことができたものは、そうそう見ません。

長さ。

長さはそれだけで価値を持つんです。

その「長さ」によってこのゲーム(と呼べるかどうかよくわかんないもの)は

「純粋な恐怖」を手に入れたんだと思います。



鬼隠し編」を終えて

ウィンドウを閉じて

風呂に入ったりなんかして。

純粋な恐怖のないこの世の中はなんと平和で

つまらないんだろう、と思いました。

きっとこのゲームなら、数人のプレイヤーは自殺に追い込めるでしょう。

数百人のプレイヤーの人生はダメにできるでしょう。

名作だと思います。